広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和40年 6月5日発行 内容

岳南2市1町の合併 

 「明春4月1日に合併するという現況はどうだ」「合併は市民にどのような影響があるのか」等々、合併への関心は日増しに高まってきています。思えば、私たちが合併ということばを口にし、耳に聞きはじめたのは、いまから5、6年前のこと。いらい岳南2市1町の吉原市、富士市、鷹岡町は、合併問題を行政の重点施策にかかげ、大同団結の実現に向かって、慎重な協議を行ってきました。そして、昭和38年9月2市1町は、岳南広域都市行政研究連絡協議会を組織し“経済開発と社会開発”を二本柱とする「別項」の基本方針を策定したのであります。<  そこから1年8ヶ月をへたこの4月13日「地方自治法」「市の合併の特例に関する法律」にもとづき研究連絡協議会は、学識経験者を含む“岳南2市1町合併目標に総務、建設、行政の三委員会を設置し、さらに5月1日には合併事務局が発足するなど、ここに本格的なスタートを切ったのであります。
 しかし「合併」は、これら申し合わせや協議だけですべてが運ばれるというものではなく、あくまでも、住民の福祉増進を基調にしたうえでの最良の策を立てなければ“真の意味”はないというものです。
 そこで今月は、合併の必要性、当面の推進事項にスポットをあてて、順次内容を紹介することにしました。

ねらいは経済と社会の開発
明春4月1日を目標に

 工業立市の旗じるしのもと、開発の巨歩を進める私たちのまち吉原市は、製紙産業主体の軽工業から重化学工業を中心とする総合工都のメッカへ、大きく前進しようとしています。
 それはとりもなおさず、田子の浦港の築港にともなう広大な背後地の造成、東名高速道路や国道バイパスの建設、工業用水の確保など工業立地の完全整備ということです。
 ところが、こうした建設は、多額の投資と人力を必要とし、ただたんに一市や一町の行政範囲内で問題を処理することは、とうてい困難なことで、いずれも国策を背景にした、広範な施策をまたなければなりません。
 さいわい岳南地区は、県の第六次総合開発、さらに昭和39年、国の東駿河湾地域工業整備特別地域の指定などにより、一大工業都市建設への裏付けができています。
 こうした諸問題を解決するためには、何といっても広い地域を一貫しておこなう行政施策、すなわち広域行政が必要になってくるわけです。
 そこで、すでに一つの経済圏を形造り、地理的、社会的、文化的にも関連のふかい岳南の2市1町、吉原市、富士市、鷹岡町はこの際大同団結して「総合工都」を建設しようとするところに合併の一つの目的が生まれてきたわけです。
 それでは合併は工業立地整備のためにのみおこなわれるのでしょうか。なによりまして重要なことは、合併は市民の生活環境を整備するためでなければなりません。
 いいかえれば、市民所得を増大させ生活を豊かにする経済開発、生活環境をよくする社会開発が合併の主眼点でなければならないということです。
 一口に生活環境の整備といっても、それは非常に広範な分野にわたっています住宅の問題、文教施設の問題、上下水道の完全普及、環境美化の問題などかぞえあげれば限りがありません しかし、住民に直結するこうした大問題も現在の自治体規模では、しょせん限度があるというものです。
 そこでこれらの問題を処理し、住民の福祉を高めるには、とりもなおさず前述の広域行政が必要になってくるわけです。住民の受ける福祉を地域全体に平等に分配できる広域行政こそ、もっとも好ましい合併の姿といえると思います。
 私たちの吉原市を含む岳南地区は、こんご飛躍的な発展が予測されます。しかしその発展は、あくまで住民の福祉増進を基調にしたものでなければならないと思います。以上のような問題をこんど組織された2市1町合併促進協議会で協議されるわけです。

推進計画を策定 動きだした合併協議会

 岳南広域都市行政研究連絡協議会は、昭和38年9月に発足してから、合併の基本方針の策定、総務、建設、行政各委員による基礎調査をいたしてきましたが、これからは岳南2市1町合併促進協議会(会長漆畑富士市長)が合併についての諸問題を協議していくことになりました。
 第1回協議会では、会長に漆畑富士市長、副会長に斉藤吉原市長と植田鷹岡町長を選任したほか、委員会規程の承認、総務、建設、行政三委員会の設置、各委員会の正副委員長の互選、協議会事務局の設置などを決定しました。
 第2回協議会は、さる5月25日に開かれ、各委員会のこんごの協議事項を次のように決めました。

◇総務委員会
1、合併の時期について
2、合併をする市町の範囲について
3、新市の名称について
4、新市の事務所(假事務所を含む)の位置について
5、議員の任期や定数について
6、各種公共団体の取り扱いについて
7、各市町の慣行の取り扱いについて

◇建設委員会
1、新都市建設の基本構想およびその根幹となる事業について
2、各市町の継続事業とその取り扱いについて

◇行政委員会
1、新市の行政機構について
2、一般職の職員に関すること
3、条例および規則の取り扱いについて
4、市町税の取り扱いについて
5、新市の財政計画について
各委員会委員は次のとうりです。

◇総務委員会
委員長
篠原博(鷹岡町議長)
副委員長
小出雅清(吉原市副議長)
委員
斉藤滋与史(吉原市長)小林清三郎(吉原市議員)大村光男(鷹岡町議員)磯野儀太郎(鷹岡町議員)佐野一夫(鷹岡町学歴)漆畑五六(富士市長)佐野晴雄(富士市議員)佐野喜郎(富士市議員)山田金吾(富士市学経)

◇建設委員会
委員長
勝又竹雄(吉原市議長)
副委員長
渡辺竹蔵(富士市副議長)
委員
小沢政雄(吉原市議員)望月政三(吉原市議員)増田貞蔵(吉原市学経)植田義次(鷹岡町長)浅井光義(鷹岡町議員)井出虎男(鷹岡町議員)鈴木政彦(鷹岡町議員)服部国太郎(富士市議員)羽切松雄(富士市議員)斉藤新作(富士市学経)

◇行政委員
委員長
渡辺春恵(富士市議長)
副委員長
井出淳(鷹岡町副議長)
委員
青木武雄(吉原市助役)中村新吾(吉原市議員)川島泰作(吉原市学経)市川常義(鷹岡町助役)深沢恒夫(鷹岡町学経)遠藤栄(富士市助役)芝田幸太郎(富士市議員)
※学経は学識経験者の略

◇事務局職員
局長 影山辰男(富士)
総務係 次長 駒井英雄(鷹岡)係長 石川勇(富士)係 井口邦美(富士)前川賢司(吉原)
建設係 次長 藤田慎一(吉原)係長 高橋嘉雄(吉原)係 佐野国雄(富士)大竹庄二(吉原)加藤隆(鷹岡)
行政係 次長 駒井英雄(鷹岡)係長 芦沢和隆(鷹岡)係 渡辺文和(富士)磯邦秀(吉原)
庶務係 次長 藤田慎一(吉原係) 佐野国雄(富士)木下孝枝(富士)
参事 永井慎一郎(県職員)

‐ 写真あり ‐
(写真説明)・・・こんごの推進計画を話し合う合併促進協議会委員(富士市役所で)

住民の福祉を増進 合併の基本方針

 岳南地区は、製紙工業を中心に繁栄してきたがさいきんは総合工都として急激な発展ぶりをみせている。
 この地域の吉原、富士、鷹岡の2市1町は、田子浦港の築港と背後地の造成、東名高速道路、国道一号線バイパスの建設、工業用水の導入など工業立地の諸条件が整備され一つの経済圏を形造っている。
 このため国は、昭和39年に本地域を含む東駿河湾地域を、工業整備特別地区に指定し、わが国の経済開発の拠点にしようとしている。
 これらの経済開発をおこない、地域住民の福祉を増進させるためには、生活環境を改善し、整備をすることがなによりも大切です。その実現をはかるためには、2市1町が一体となって、行財政能力を結集し、新都市を建設していかなければならない。
 よって関係各市町は合併を実現するため、次の基本方針により、協議を進めることにする。
一、合併は2市1町の住民の与論に立脚し、住民の福祉増進を基調としなければならない。
二、合併の時期及び合併に関する主要な事項については、諸般の情勢を考慮して慎重に定めなければならない。
三、合併の形式は、2市1町がそれぞれ対等の立場に立つ合体合併とし、各市町が現に有する財産営造物ならびに債権、債務およびその他の権利義務はすべて新市に引継ぐよう配慮するものとする。
四、新市の建設計画策定にあたっては、経済開発と社会開発をその基本とし、地域の特性を生かし住民の受ける福祉が新市の各地域に均てんされるよう考慮しなければならない。
五、合併促進に関し、行財政その他必要な事項は国および県に要請し、円滑な進捗を図るものとする。
六、合併に関する協議その他すべての事案について、関係各市町は常に大局的見地にたち信義と誠実を旨とし、相互の信頼と融和につとめ、新市民の期待にそうよう、健全で明朗かつ文化的な一大工業都市の実現に努力するものとする。

伝染病を防ごう

恐ろしい伝染病が発生していますので、次のことを必ず守り、伝染病の予防につとめてください。
○食事の前のは必ず手を洗う
○生水はのまない
○不潔なたべものは口にしない
○便所の消毒、台所、下水をきれいにする

“無線広報”のお知らせは毎日午前7時45分と午後4時45分。