広報よしわら 昭和41年12月に富士市と鷹岡町と合併した吉原市広報紙の全記録

昭和39年 2月5日発行 内容

斉藤市長 臨時議会で挨拶
高度の市民福祉を 道路・学校・児童施設は優先的に

斉藤市長就任後、初の吉原市議会1月臨時議会は1月31日午前9時から開会され、冒頭(ぼうとう)市長は就任挨拶とこんごの施政基本方針をつぎのようにのべました。

(要旨)歴代の諸先輩の方々が議会のご協賛のもとに、久しきにわたって立派につちかい、築きあげてこられたこの輝かしい業績を受け継ぐことは、責任の重大さを自覚するとともに、全身全霊を傾倒する覚悟を新たにするものであります。
 いまや吉原市は、2市1町の合併をひかえ、ますます近代都市として栄えていくことが、約束づけられています。しかしそのいかなる近代都市計画の基礎も、まず市民の福祉を考慮にいれたものでなければならないと考えます。しかるうえに、何十万、何百万の産業都市、近代都市建設の実現を夢に描いているのであります。しかしご承知のようにいま吉原市は相当額の負務を背負っている現状であります。これを考えますと一年間の財政規模が14、15億円の都市必ずしも豊かであるといえないのであります。従ってこんご急速な新建設事業、あるいはその他の  なにとぞ絶大なご協力を重ねてお願いいたします。

‐ 写真あり ‐
( 写真説明)・・・臨時議会で就任の挨拶をする斉藤市長

こんにちは新市長さん

輝かしい伝統を誇る8万5,000市民の与望になって市政に登場した斉藤滋与史市長のこんごの活躍は真に市民が幸せになる政治への期待がかけられています。そこで当紙はこの機会に「こんにちは新市長さん」と題し、市民みなさんの素直な建設的なご意見をいろいろと聞いてみました。

◇大衆のための政治
 宇東川町 会社員(50)
 吉原市民が新市長に何を求めているかという問に答える前に、新市長には、政治とは何かという事を考えていただきたいと思います。
 現在までの国、県、市の政治にあらわれた実績は、それがあまりにも“目に見えるもの、物質的なもの”成果に力を入れすぎるように思われます。
 政治とは終極において、大衆の幸福をもたらせるものであって欲しいと思います。
 具体的に記述してみると、
(1)道路整備の問題
 現在までの道路整備は、旧市内にあまりにもウエイトを置きすぎた感がありますので、これを他区域に移してください。殊に根方街道の整備は時を待たず早く行ってもらいたいと思います。
(2)工場誘致に係わる問題
 この問題について、こんごおおいに考えてもらいたい事は、工場誘致により吉原市の繁栄と税収入は計り得るが、それにともない、いろいろの弊害を生じてくることを忘ないでください
殊に公害のともなう産業については、いたずらに多きを欲する事のみに重点をおかずに慎重に考えてください。
(3)都市計画について
 現在の都市計画をみると、商業地、住宅地、工場地の配置が雑然としている感があります。聞くところによりますと、大工場進出計画があるようです。今のうちに将来を考えた吉原市のあり方について充分配慮され、悔を10年先に残さないようにしてください。
(4)住みよい吉原とするために
 将来の住みよい吉原市のために緑地大公園、遊び場(憩いの場所)となる空地を確保しておいてもらいたい。市が発展して、子どもの遊び場すらない“近代都市”を考えることはあまりにも淋しい。そしてそれこそ政治の何ものかを知らない小器的政治家であると、あえていわざるを得ない。
(5)市財政について
 前市長がはじめて当選された当時は、赤字財政であったと聞いています。しかしそれも金子市長さんの手腕で2、3期において黒字財政にたてなおし、私たち市民もこのことを誇りにしていました。ところが現実はどうでしょうか、相当多額にわたる赤字があると聞いています。その使途については、こんごの議会によって検討されることと思われますが、とかく世間の声は自己の勢力を広げるため、自己の力を誇示するため、あえていうなら、次期選挙のために無理は承知で不正な支出をしているといいがちです。新市長さんはこの点については充分な配慮をして (6)市の吏員について
 公平な人事をしてもらいたい。偏見人事でなく、能力に応じた適材適所主義の職員配置をお願いしたい。

◇エネルギッシュな闘志で
 八王子町・女店員(20)
 成人式をむかえ有権者となると同時に“市長選挙”…私たちの手で選んだ市長さんと思うと、何か遠くにあった存在が、近くになったような気がいたします。
 私たちとは、直接お合いする機会は少ないと思いますが、いつでもどこでも手の届く存在であってほしいと思います。よくおとなの社会の表裏を耳にしますが、政治などはその代表的なものだと思います。
 立派な政治…あまりにも広く抽象的ないい方ですが、私が新市長さんに特に望むことは、市長は政治に未知数、素人だといわれていますが、はじめから「プロ」はいるものではありません。かえってその方が新鮮味があってよいのではないでしょうか‐市民のみなさん!
 親しみやすい市長に、大吉原市発展のために新しい仕事を‐、こんごの市長さんにはいろいろ大きな問題か待ち望んでいることと思います。
 市長さんいずれにしても、躊躇(ちゅうちょ)することなく真正面からぶつかって前進していただきたいと思います。

◇偏見市政は絶対ごめん
 大和町・一主婦(42)
 私たちの選んだ市長さん…
 若い市長さん市政も若がえらせてください。上ばかり見ていないで下も見廻してください。明るい清い平等な政治をとることを私たちは日常茶飯に望んでいます。
 8万5千の市民の願いが市長さんの双肩にかかっています。
 どうぞいつまでも若く、元気に市のため、市民のために全身全霊つくしていただけることを期待しています。

◇まず地域格差を是正
 神戸町・農業(57)
 若さと気力をもって立ちあがった斉藤市長にお願いすることは、第一に民主的な「話しやすい市長」となってもらいたい。つぎに県及び中央とのつながりをいかして、地域格差を是正し、ますます発展する都市づくりをやっていただきたいと思います。それには何といってもまず道路網の整備を行うことが肝要と思います。市長さん現在の「デコボコ道」では総合開発は到底無理というものではないでしょうか…。
 市長さんの明るい人柄、低姿勢には好感をもてますが、常に市長として筋を通し“白を白”と言いきれる勇気と決断のある人になって下さい。よりよき市政の運営は人である、人を得るには知遇せよとあえていわせていただきたい。
 斉藤さん、巾の広い交際を求め前市長に勝るとも劣らない立派な市長になって下さい。

◇道路整備に力こぶを
 南滝川町 工員(22)
 まず私が望みたいことは、庶民的な、身近に接することのできる市長さんであってほしいということです。
 遊説中に公約された観光都市、広域都市の“道”も、もっとも身近な道路整備、教育文化の向上市民福祉の増進などをやりとげてこそ、はじめて開かれるものではないでしょうか。
 何はともあれ、若さと情熱で、私たち市民の生活向上のために力を注いでいただきたいものです。

◇3月議会に市民は期待
 依田原1・会社員
 吉原市のケネディー誕生する。毛並みもよし、育ちもよい、金もある。しかし政治には未知数…うんぬんと新聞にその批評がいろいろとのっていました。
 偉大なる政治家金子翁の後継、吉原市終末市長の双肩にかかる手腕は如何にと、8万5,000市民は注視しています。彼も人なり、われも人なりの気概を‐“われに金子翁に優れるものもあり、それは年令であり若さである”の固い信念をもって市民の幸福のために常に前進していただきたいと思います。
政治は生きものであります‐選挙戦中の事を考えると、新市長さん前途は非常に多事多端、困難なことが山積していると思われます。
まず第一の試練は、39年度当初予算編成を行う3月議会の運営いかんにかかると思います。ことわざの「名を捨ててこそ、浮かぶ瀬もある」ということばのとおり名を捨て実をとることを期待します。
 過ぎし数年前の某市長の如きは議会運営に50余日を費やしたことがあるように記憶しています。その二の舞を絶対しないよう、充分な研究と配慮をお願いいたします。

◇須津小の改造を早く
 中里新富町 農家主婦(33)
 私は須津に住居をもつ、一農家の主婦です。
 「新吉原工業都市」として発展するための基礎を築く」「愛鷹山の観光化など一大事業を遂行する」と市民に公約された市長さまに望みます。
 私たち子をもつ母親が等しくお願いすることは第一に“校舎の改造”であります。
 現在当小学校の設備はあまりにもひどく、雨もり、土台のいたみ必要施設の不足等々あげれば限りがありません。子どもを預かる学校側の先生にも「実に心配だ」と訴えられる始末です。もちろん私たち父兄の協力は絶対に必要なことですが…それにしても他校との差が甚だしいです。
 例えば、プールのようなもの…是非とも子どものために…。また当地は井戸水の枯れが多く、早い家は昨秋頃からはじまり、どの家、どの主婦も手にバケツをさげてもらい水のありさまです。こんな切ない実態を市長さんはどうお考えいただけますか‐
 頼みの綱の井戸堀りも隣りで深く掘り下げれば、その隣りは全く出なくなる「ともぐい」の連続です。
私たちはこうしたことをなくそうと、こんど共同で大きな井戸を掘ることを計画しています。こんなときは市は積極的に補助、面倒をみていただきたいと思います。どうでしょう‐。
 つぎに道路整備であります。県道の“えくぼ”には実に困ります
新市長さん須津地区も東方とはいえ、同じ吉原市です“ままこ”扱いにしないでください、いままでみたいに。

広報係より

◇この欄を企画、編集するに当りご多忙にもかかわらず、市民みなさんのこころよいご協力を編集係一同心から厚くお礼申しあげます。
◇ここに掲載させていただきました原稿は、いずれもご本人の希望で「匿名」扱いでおこないました。
◇こんごとも広報よしわらを“市民とのかけ橋”に利用していただくために、どのような小さいことでも結構ですから、どしどしご意見をお寄せください。

◇お願い
 みなさんが当紙へ投稿、掲載を希望される際は、“無記名”では係りが扱い原稿に責任をとりかねますので、必ず、住所、職業、年令氏名をはっきりご記入のうえ「市役所・文書課広報係」までお寄せください。

市民の動き(昭和38年12月31日現在)

男 4万2,983人
女 4万2,452人
計 8万5,435人
世帯数 1万8,217世帯